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Amazon Bedrockに追加されたService Tierを使う際の注意点

どうも、AWS 大好き芸人の @ken11 です。
Bedrock 、使ってますか? Service Tier が増えたことで、優先度とコストの見合いで選択肢が増え、より一層使いやすいサービスになったと感じている今日この頃です。
今日はそんな Service Tier を活用するうえで、一部引っかかるポイントの話をします。

Service Tierとは?

Service Tier(推論サービス階層)は、同じモデル推論でも 「優先度・可用性・コスト」 のバランスを変えて実行できる仕組みです。概念・料金・使い分けは、サーバーワークスさんの記事がとてもわかりやすかったので、リンクを置いておきます。

それをふまえたうえで、本稿では実際に Service Tier を使ってみて感じた注意点などをご紹介します。

Service Tier を指定してみたら Unknown parameter となってしまう

Service Tier を指定しようとして、まず踏みがちなのがこれです。

Unknown parameter in input: "serviceTier", must be one of: ...

これは Bedrockの使い方が間違っているというより、SDK(boto3/botocore)が serviceTier を“まだ知らない” ことが原因です。

どのバージョンから Tier 指定ができる?

  • boto3/botocore が serviceTier パラメータに対応したバージョン以降でないと、serviceTier を渡した時点で弾かれる
  • Lambda の同梱 boto3 が古いと、ローカルでは動くのに Lambda で落ちる

実際、いま(2026年1月) Lambda で Python 3.14 を指定して起動すると、ビルトインの boto3 はバージョン 1.40.4 となっており、 serviceTier を指定するとエラーになってしまいます。

boto3 のCHANGELOGによれば1 serviceTier の対応は 1.40.76 以降となっているので、 Lambda 上で Bedrock を呼び出し serviceTier を指定したい場合は

  • デプロイパッケージに boto3/botocore を同梱する
  • Lambda Layer として boto3/botocore を自前で入れる

などの対応をする必要があります。

まずは実行環境でこれを出しておくのが確実です(boto3 だけでなく botocore も一緒に見るのがポイント)。

import boto3, botocore
print("boto3:", boto3.__version__)
print("botocore:", botocore.__version__)

そもそも対応しているモデルなのか?

boto3 のバージョン以外にも、「そもそも使おうとしているモデル/推論プロファイルは Service Tier 対応しているのか?」という問題があります。 この場合は Unknown parameter ではなく、 Bedrock側がリクエストを受け取った上で次のようなエラーを返します

The provided service tier is not supported for this model.

つまり “Tier の指定自体は通ったが、その modelId では Tier が使えない” という状態です。

“モデル × 推論プロファイル × Tier” をセットで確認する

そもそもモデルが ServiceTier に対応しているのかどうかとあわせて気をつけておきたいのが、推論プロファイルです。
料金は「モデルだけ」ではなく 推論プロファイル(JP / APAC / Global などの選択) によっても異なり、取り違えると見積りがズレやすい点です。

  • 自分のリクエストが JP固定 なのか、 地理的クロスリージョン なのか、 Global なのか
  • その上で、使っている モデルがTier対応なのか
  • 料金もプロファイルやTierで微妙に違うので、 コスト計算時は軸を揃える

「どの地域/推論プロファイルで」「どのモデルの」「どのTierが使えるか」は、最終的には 公式の対応表と料金ページで確認 が必要になります。特に、運用で後から見積り精度が重要になる場合はよくよく確認することが重要です。

まとめ

  • Unknown parameter ... serviceTier SDK(boto3/botocore)が古い (まずバージョン確認)
  • The provided service tier is not supported for this model. モデルがTier未対応 (対応表/料金ページで確認)
  • 料金は推論プロファイル(JP/APAC/Global)も絡むので、 モデル×プロファイル×Tier で見積りと運用設計をする

Service Tier は便利ですし、コストに響いてくる話なのですぐにでも導入したいと思う場面は多いと思いますが、現状の Lambda ビルトインの boto3 だとエラーになる点は気をつけたいポイントです。
また、コストインパクトを期待しているのであれば、あわせてクロスリージョン推論における推論プロファイルの地域も気にかけた方がよいでしょう。特に、 Amazon Nova シリーズでは JP/APAC/Global といった推論プロファイル、 Priority/Standard/Flex といった ServiceTier いずれもサービスされており、組み合わせによって料金が変わってくるので、かなり複雑な料金体系になりつつあります。

サービスとしての Bedrock の進化はめざましいものがあり、AWS大好き芸人としては日々更新されるドキュメント2が楽しくて仕方ないです。恐らくここで書いている内容も日々更新されていくでしょうから、最新のドキュメントを参照することをお忘れなく。

Footnotes

  1. https://github.com/boto/boto3/blob/develop/CHANGELOG.rst

  2. https://docs.aws.amazon.com/bedrock/latest/userguide/doc-history.html

安立 健人(あだち けんと)

GREE X株式会社 戦略本部 AIX推進室長

NLPを中心に機械学習モデルの作成からデプロイ運用まで一気通貫のスペシャリスト

2022年にラスベガスで行われたAWS re:InventにてAIインフラをテーマに登壇

「事例でわかるMLOps」の共同著者